20世紀後半を代表する歌手の一人、スイス出身のソプラノ歌手のエディット・マティス氏が、2月9日にザルツブルクで永眠されました。(享年86歳)
1938年ルツェルン生まれ。1957年に同地の市立劇場でデビュー後、ケルン歌劇場、ベルリン・ドイツ・オペラ、ザルツブルク音楽祭、グラインドボーン音楽祭、ハンブルク歌劇場などに出演。カール・ベームやカルロス・クライバー、ヘルベルト・フォン・カラヤンといった名指揮者と共演され、声楽科として国際的に活躍されていました。1992年から2006年までウィーン国立音楽演劇大学でリート&オラトリオ科の教授を務め、また、近年もザルツブルク・モーツァルテウムの夏期アカデミーやシュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭をはじめ、世界各地でマスタークラスを行うなど、熱心に後進の育成をされていました。
1997年の第18回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルに初参加し、マスタークラスの講師として教鞭をとられ、2006年の第27回「モーツァルトと18世紀」が最期となりました。ご冥福をお祈りいたします。
※写真は2006年、草津でのマスタークラスの様子。写真:林喜代種