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【Message】トーマス・インデアミューレ先生からのメッセージ 第二弾

オーボエ奏者のトーマス・インデアミューレ先生から、2回目のビデオメッセージが届きましたのでご紹介します。観客の皆さまと受講生の皆さまへ向けた先生の熱い思いを、是非ご覧ください。

 皆さま、こんにちは。このメッセージは、草津の観客の皆さまと受講生の皆さまへ向けたものです。本来ならば一緒に過ごせたはずでしたが、今年は一緒に過ごせず寂しいですね。朝は受講生の皆さんと一緒に呼吸法の練習をしたり、どのようなスタイルで吹けばいいのか、簡単に吹けるようにするにはどうすればいいのか等レッスンをしていたはずでした。また、夜には2~3回パーティーを開催し、みんなで楽しく笑い合っていたと思います。
 観客の皆さま、良いコンサートにするためには皆さんの存在が必要です。ステージに上がった時、皆さんがそこにいて、私たちを待っていてくれていると感じます。そして、多くの方が長年コンサートに来てくださり、演奏者と観客が2週間の間で大きな家族のように一緒に成長していくと感じています。最終的に皆さんがご自宅に持ち帰るのがこの感覚で、私たちもこの感覚を持って帰るのです。今年の音楽祭は来年に延期になったので、この感覚を来年に持ち越さなくてはならなくなりました。でも、この大きな家族という感覚を忘れずに、観客の皆さんとも一緒に学んでいきたいと思っています。マスタークラスにおいても、何か問題を見つけて、それを受講生のために解決しようとすることは私の勉強にもなります。その受講生のためだけに問題を解決しているのではなく、レッスンを聞いている方のためでもあり、ある意味自分のためでもあるのです。
 私は今、スペインのマヨルカ島で楽しい休暇を過ごしています。私のニワトリがそこにいますね。ここは自然に溢れていて素敵な時間を過ごしていますが、同時に、草津でのコンサート前に井阪さんがプログラムを発表し、どのように作られたかを説明した後の、自分がステージに上がる感覚がとても恋しいです。プログラムは井阪さんと講師陣が一緒に考えますが、彼が全てをうまく調和するよう組み合わせてくれるのです。彼は一番の企画制作者です。
ステージに上がり、静寂の中で私たちの演奏を待ってくれている人々の顔を見る感覚を持つためには、来年を待たないといけないのです。この静寂の中で、私たちは音楽を捧げています。コンサートは一日一度だけで、ご承知の通り、全ての音は一度奏でれば終わってしまうのです。だから、この一度きりの時間は、本当に良いもので集中されたものでなければならないし、観客のためでなければならない。そうでなければ自分の音を失っているようなもので、人々の心の中に入っていけなければ意味がないのです。もちろん、私一人が14日間のコンサートの全てを演奏するわけではありませんが、一日のコンサートで1~2曲、時にはその日のプログラム全曲を演奏します。このことは、音楽や人々について学ぶためにも、観客の皆さんと家族として一緒にいるためにもとても重要なことなのです。最終日のパーティーまでには、みんながお互いを知っているという感覚を持つことができます。名前や楽器を知っている人もいれば、見た目だけ知っている人もいると思いますが、2週間草津温泉という限定された場所で過ごしているので、いつも顔を合わせています。
 受講生の皆さん、今は呼吸法の練習で吹き方を改善させてあげられませんが、来年皆さんを待っています。レッスンでは、私から皆さんに一方的に伝えているわけではなく、皆さんから学ぶことも多いのです。より良い音楽家になるために、より良いオーボエ奏者になるために、そしてオーボエ奏者としての人生を通してより楽になるために、その人を理解しようとしています。もちろんあなた方の為ですが、私のためでもあります。私はあなたが学ぶのと同じくらいレッスンで学んでいます。ですから、私にとってもとても大切な時間なのです。一年で一番大切な時間かもしれません。
 草津が恋しいので、ここマヨルカ島で美味しい魚を使って刺身を自分で作っています。私はこの場所で充電中ですが、2021年にまた草津に来てください。コロナの影響もその時までには終わっていることを願っています。また来年お会いして、再び家族として成長し、2021年の素晴らしい草津の音楽祭を作り上げましょう!さようなら、健康に気を付けて幸せに過ごしてくださいね。チャオ!

トーマス・インデアミューレ

オーボエ奏者 / 第12回(1991年)から毎年参加。
フライブルク音楽大学でH.ホリガーに、パリでM.ブルグに師事。その後、ソロのオーボエ奏者として、オランダ室内管弦楽団や、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団と演奏活動をし、1974年プラハの春国際音楽コンクール、76年ミュンヘン国際音楽コンクールで入賞を果たした。以来、ソリストとして世界各国で活躍。M.トロヤーン、W.リーム、西村朗等が彼のためにオーボエ協奏曲を作曲している。89年よりカールスルーエ音楽大学教授。

トーマス・インデアミューレ先生の詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。

【ビーバ博士のエッセイ集】ウィーンのリヒャルト・シュトラウス

【くさつ音楽アーカイヴ】バウスフィールド&ヴィット 2014年

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