2020年8月に開催予定だった第41回草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルは、新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の影響により、残念ながら中止となってしまいました。音楽祭は開催できませんが、今年参加を予定していた講師の先生方7名からメッセージをいただきましたのでご紹介します。
第2回目は、オーボエのトーマス・インデアミューレ先生です。
※字幕が表示されない場合は、「設定」をクリックし、「字幕」をクリック後「日本語」を選択してください。
今年、草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルを楽しみにされていた皆さま、こんにちは。 残念な事に、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて音楽祭が中止となり、今年は草津に行けなくなってしまいました。草津の音楽祭は、始まって以来はじめて1年お休みとなりましたが、この音楽祭は必ず存在し続けるという揺るぎないものであり、既に2021年の企画の話合いが始まっています。 とはいえ、この夏に草津の音楽祭に参加できないことはとても寂しいです。私が2週間草津で集中して受講生と課題に取り組み続けて29年が経ち、今年は30年目になるはずでした。草津で出会った多くの受講生がドイツの大学でも私の学生となり、今は日本で教授やオーケストラのソロオーボエ奏者として働いています。草津の音楽祭がない夏を過ごすのは30年ぶりで想像していなかった事ですが、この音楽祭の内なるエネルギーは信じられないほど強く、1年空くことは大したことではなかったと後々感じる事になるでしょう。もちろん音楽祭が開かれないことは苦痛ですし、おそらく誰もがそれぞれの場所で違った夏を過ごすことに、本当は草津で集いたかったと思うでしょう。今年は、受講生たちに会えません。そしてコンサートやリハーサルで、バロック音楽とはどうあるべきか、現代音楽とはどうあるべきか、楽譜には何が書かれているのかなどを語り合える仲間たちにも会えません。世界中から音楽家が集まり、信じられないほど濃密な経験ができるこの環境を、私は毎年必要としています。 来年は、私の草津デビュー30周年になります。必ず2021年に戻ってきますので、草津でお会いしましょう。そして、再び草津でエネルギーを与えてもらえる事に期待します。皆さん、どうか不安にならず、1年後には草津で再会できる事を信じていてください。この大変な時期を、しっかり自分の今やるべき事に集中して乗り切りましょう!2021年は史上最高の音楽祭となります。またお会いましょう!
トーマス・インデアミューレ
オーボエ奏者 / 第12回(1991年)から毎年参加。
フライブルク音楽大学でH.ホリガーに、パリでM.ブルグに師事。その後、ソロのオーボエ奏者として、オランダ室内管弦楽団や、ロッテルダム・フィルハーモニー管弦楽団と演奏活動をし、1974年プラハの春国際音楽コンクール、76年ミュンヘン国際音楽コンクールで入賞を果たした。以来、ソリストとして世界各国で活躍。M.トロヤーン、W.リーム、西村朗等が彼のためにオーボエ協奏曲を作曲している。89年よりカールスルーエ音楽大学教授。
トーマス・インデアミューレ先生の詳しいプロフィールはこちらからどうぞ。
次回は、7月29日(水) にクリストファー・ヒンターフーバー先生(ピアノ)からのメッセージをご紹介します。