「くさつ音楽アーカイヴ」厳選名演の15曲目は、モーツァルトのクラリネット五重奏曲イ長調K.581より第2楽章ラルゲット。カール・ライスターのクラリネット、パノハ弦楽四重奏団の演奏でお届けいたします。
1982年以降、草津に10回訪れている巨匠ライスターと、1998年以降、20年以上に渡り草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルのレジデント・カルテットともいえる役割を果たしてきたパノハ弦楽四重奏団の共演。演目は両者が幾多の名演を繰り広げてきたクラリネット五重奏曲ですが、2009年のこの日の演奏は特別なものでした。本来ならライスターの共演者は不世出のソプラノ、ヒルデガルト・ベーレンスのはずでしたが、草津に向かう途上でベーレンスは客死。急遽彼女の追悼公演として組み直されたコンサートで、演奏者、聴衆の胸にモーツァルトのラルゲットが深く響きました。
次回の「くさつ音楽アーカイヴ」の更新は9月15日(火)を予定しています。