フランス音楽の室内楽/グノー生誕200年と遠山慶子のドビュッシー
本日はドビュッシーとグノーの室内楽特集でした。
グノーといえば「アヴェ・マリア」が、ドビュッシーといえば「月の光」が大変有名ですが、本日のプログラムには最初と最後にその超有名曲が演奏され、また演奏される機会の少ないグノーの弦楽四重奏も含まれて聴きごたえのプログラムだったと思います。
最初の「アヴェ・マリア」は、作曲された当初の器楽の編成で演奏されました。今日では、歌とピアノ、ヴァイオリンとピアノのようにソロ曲として演奏されるのに慣れてしまった感じではありますが、オリジナルの器楽スタイルで聞くことは珍しいと思います。
グノーの弦楽四重奏第3番を演奏したクァルテット・エクセルシオは、常設の四重奏団ならではの良質なバランスとアンサンブルで好演奏を披露しました。多くの聴衆はこの曲を知らなかったと思いますが、演奏後にかっこいい曲だ、面白い曲だ、といった声があがってので、演奏が曲の価値を左右した証拠とも言えます。
プログラム最後に遠山慶子さんが演奏したドビュッシーは、実際に涙する聴衆もいた名演でした。自身の得意とする作曲家であり長きに渡って磨かれてきたその音楽は、水晶のように透き通りかつ変化自在に光を照らすかのような、色彩豊かな音色となって聴衆を魅了したようでした。(MY)