音楽祭スタッフによるコンサートピックアップ 8/22(mon)
本日のプログラムはブラームス尽くし。ブラームスがお好きな方でしたら、まさに垂涎とも言えるプログラムが並んでおりました。
前プロはウェルナー・ヒンク先生(ヴァイオリン)とクリストファー・ヒンターフーバー先生(ピアノ)による、ヴァイオリン・ソナタ第3番。…
通常、ヴァイオリンとピアノのデュオの場合、舞台にはヴァイオリニストが先に、ピアニストが後ろに続いて登場なさることが多いと思いますが、ヒンク先生の「楽譜には『ピアノとヴァイオリンのための』ソナタと書いてある以上ピアニストが主なんだから、君が先に出て!」というご意見により、ヒンターフーバー先生→ヒンク先生の順に舞台に登場されました。
ヒンク先生の香り立つような繊細なニュアンスと、ヒンターフーバー先生の力強くほとばしるエネルギーが、面白いほどにぶつかり合い、そして寄り添いあって紡ぎだされる音楽にうっとりなさった方も大勢いらしたのではないでしょうか。
続けて、ヴォルフガング・ベッチャー先生(チェロ)とヒンターフーバー先生の、チェロ・ソナタ 第2番。
前々日に最初の合わせ練習をなさった時に、ベッチャー先生が大変興味深い提案をなさいました。第1楽章の再現部に入る直前のピアノパートの右手が、現在出版されている楽譜では原典版よりも1オクターブ低く書かれているけれど、原典版の響きのほうが美しいので変更しましょう、とのことでした。実際弾き比べたヒンターフーバー先生も納得なさって、本日の本番では原典版のほうで演奏されたのでした。
どちらのデュオも恐らくここ草津でしかありえないお二方の組み合わせ。こんな組み合わせの妙も、草津音楽祭ならではの魅力の一つと言えるのではないでしょうか。 (KI)