クリストファー・ヒンターフーバー ピアノ・リサイタル/シューベルト:ピアノ・ソナタ ハ短調 D 958
ヒンターフーバー先生(Pf)のリサイタル。今年はシューベルトがテーマの一つになっている中で、演奏された中から最初に一つ取り上げるのは、L.ゴドフスキー(1870-1938、リトアニア)の「パッサカリア」です。ゴドフスキーはピアノ弾きには超絶技巧の作曲家として有名で、バッハやショパン、ヨハン・シュトラウスⅡらの作品の編曲作品とオリジナルの作品があります。編曲には「ショパンの練習曲に基づく53の練習曲」が知られ、練習曲を練習曲に編曲する?!というなんとも珍しいこともしています。
さて、シューベルトがテーマであってなぜゴドフスキー?ということなのですが、一つはこのパッサカリアの主題がシューベルトの「未完成交響曲」の冒頭の低弦のテーマという関連があります。聞いていただくとお分かりになるのですが、あの良く知られた低弦のテーマが最初に出てきますが、すぐ対位法的にどんどん変化していきます。やがて譜面状では何が何だか、どこにテーマがあるの?と一見分からなくなるほど激しく複雑を極めていきます。でも、ヒンターフーバー先生の演奏を聞くとちゃんとテーマが浮かんで聴こえてくるのです!(そのテーマの周辺には蟻の大群のようなおびただしい数の音符が聞こえるのですが)
本日の公演のメインはシューベルトの最晩年のピアノソナタ第19番でした。そして、アンコールはマスタークラスでアシスタントを務める砂村さんとの連弾でした。
L. Godowsky : Passacaglia, Kusatsu Academy Music Festival 2019 https://youtu.be/Gg8UkVdDmFw
Schubert : Piano Sonata No.19 D.958, 2nd mov, Kusatsu Music Festival 2019 https://youtu.be/YN1TlXEeVy4
F. Schubert : Andante in A Minor, D 968 https://youtu.be/SDAXlJUBCkE
8月18日の演奏曲目
C.チェルニー:華麗なる変奏曲 作品14
C.ヒンターフーバー(Pf)
L.ゴドフスキー:パッサカリア
C.ヒンターフーバー(Pf)
F.シューベルト:華麗なるロンド ロ短調 D 895
C.ヒンターフーバー(Pf)、M.ヴォルフ(Vn)
F.シューベルト:ピアノ・ソナタ 第 19番 ハ短調 D 958
C.ヒンターフーバー(Pf)
アンコール/F.シューベルト:アンダンテ「アレグロ・モデラートとアンダンテ ハ長調」D 968 より
C.ヒンターフーバー(Pf)、砂村友希(Pf)