(元)音楽祭スタッフによるコンサートピックアップ 8/26(fri)
ティーンエイジのモーツァルトが体感したイタリアの日々ーーーケッヘル100番代のこれらの作品からは、晩年まで続く輝度が高くも軽やかな旋律性を誇る「モーツァルトらしさ」を存分に聴きとることが出来ました。
併せて演奏された異能の作曲家クレメンティも、これまた奇才オルガニスト ブリツィらの解釈と相まって、ハイドンやモーツァルトからは聴くことの出来ない、ポジティブな意味での「歪み」を感じずにはいられませんでした。
出演陣はヒンク、ベッチャーといったお馴染みの巨匠から、草津では「若手」の部類に入るクァルテット・エクセルシオまで多彩なアーティストが登場。それぞれの「モーツァルト」を個性豊かに描き出してくれました。特に先述のエクセルシオを始め、ソプラノの天羽明惠ら日本人アーティストの活躍が光る公演であったことを是非とも付記したいと思います。コンサートの最後は「天羽&ブリツィ」コンビによる祝祭的な「アレルヤ」(モテット《エクセルターテ・ユビラーテ》より)によって締めくくられました。…
開演前に晴れていた空が、終演時には土砂降りの雨。空気は心地好い冷たさに。これも山の音楽祭らしく、また秋の訪れが近いことをしみじみと感じさせられました。(Y.Masumitsu)