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草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル

STAFF BLOG

アカデミーの奨学・奨励制度のご紹介

草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルでは、マスタークラスを受講する方々の学びや活躍を支援する制度を設けております。

ここでは2つの制度をご紹介いたします。

遠山基金奨学制度
故遠山一行氏の遺志により、マスタークラスの受講を希望し、経済的な支援が必要な方に対して、受講料免除や給付型奨学金をご用意している草津アカデミー独自の奨学制度です。
今年の募集要項は4月中旬ホームページで公開予定、申込受付期間は5月9日12:00~5月16日16:00です。

手納基金奨励制度
当財団評議員の手納美枝氏のご寄附により2023年(第43回)に設立された基金です。
音楽祭最終日に開催しているマスタークラス受講生によるスチューデント・コンサートにおいて、演奏が高く評価された方に奨励賞と奨励金の授与を行っています。

ここで昨年の奨学生のレポートをご紹介いたします。

沼津冬秋(第43回草津夏期国際音楽アカデミー オーボエクラス)

8月17日から30日までの二週間、草津に滞在し、アカデミーに参加しました。初めての一人の生活に不安もありましたが、一緒に受けたたくさんの方と知り合うことができ充実した日々を送ることができました。
宿泊先が夜の9時まで練習することができたのでとても助かりました。その日に学んだたくさんのことを少しでも消化するために練習できたことでより成長できたかと思います。私以外のみなさんも朝早くから夜ギリギリまで熱心に練習している音が聴こえてきて、その音に励まされ、疲れている日も頑張ろうと思えました。
アカデミーでは、レッスン以外にも、毎日コンサートがあり、様々な楽器編成によるたくさんの曲を聴くことができたのは私のこれからの音楽人生にとてもいい刺激になりました。

オーボエを教えて下さったのは、トーマス・インデアミューレ先生で、楽器の鳴らし方について詳しく教えて頂きました。音を鳴らす時の口の中の空間の感じ方や、体のどの部分を意識して響かせるのか、圧力の感じ方、そもそもどうやって楽器が鳴っているのか、体の構造との関係など、オーボエをこれから吹いていくにあたって、欠くことのできない素晴らしいことを教わりました。
これまでの私は、どうやって音が鳴っているのかということをそんなに深く考えていませんでしたが、参加してからは強く意識するようになりました。

リードについても詳しく教えて下さいました。リードの練習が大きな部分を占めると聞いて、さらにリードだけの練習法も教えて下さいました。様々な息の使い方でリードから音を出すという練習を行いました。その中で、毎日吹いているリードなのに簡単にできないことがあり驚きました。リードのどの部分を意識しながら音を鳴らすのかなどを教えて頂き、コツコツと毎日練習し、草津の滞在中にできるようになったことは大きな喜びです。
リードの練習を通して音の幅が広がり、表現力も増した気がしました。

このようにトーマス先生にはたくさんのことを教えて頂きましたが、その中でも特に楽しくて思い出に残っているのは、トーマス先生のダンスを使ったレッスンです。
カリヴォダの「サロンの小品」という曲のレッスンをしていた際に、ワルツの部分を受講者の一人が吹いている時に、通訳の方と実際にワルツを踊って下さったので、拍の感じ方やメロディーの雰囲気などを感じ、学ぶことができました。

さらに、レッスンはドイツ語だったので、初めて外国語だらけのレッスンを受けて、現地の発音を間近に感じることができました。
そのお陰で、ドイツ語圏の作曲家の曲を吹く時には、日本語とは違う発音の中で曲を作っていたことをイメージでき、曲を吹く上で新しい視点を得た気がしました。

受講された皆さんが色々な曲を持ってきていました。その中には自分が吹いたことのある曲、これから吹くであろう曲がたくさんあったので、聴講も楽しく、多くの学びがありました。

私は公開レッスンと「草津ナウリゾートホテル」のロビーラウンジで開催されたスチューデント・コンサートや、最終日に「草津音楽の森国際コンサートホール」で開催されたスチューデント・コンサートで、演奏する機会を頂きました。
最終日のコンサートでは、共に2週間学んできた皆さんが始まる前に応援してくれ、トーマス先生が膝を使った重心の感じ方を教えて下さったので、それを意識しながら、集中して吹くことができました。

2週間でたくさんのことを学びました。完全に消化しきれていないこともまだありますが、オーボエのことを深く知ることができたので、さらにオーボエのことを好きになれた気がしています。

始まってみれば、本当にあっという間の二週間でした。私にとってかけがえのない体験となりました。スタッフの皆様、先生方、一緒に学んだ皆様に心より感謝申し上げます。そして、最後になりましたが、今回、遠山基金奨学生に採用して頂けたこと、さらに手納基金奨励賞を頂いたことに心より御礼を申し上げます。

今年の制度の概要はこちらからご覧ください。
2024奨学・奨励制度

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