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草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル

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音楽祭スタッフによるコンサートピックアップ 8/24(wed)

音楽祭スタッフによるコンサートピックアップ 8/24(wed)

 

◆シェルシ トロンボーンのための3つの小品
死後にトサッティ(伊)との共同制作が暴露され(どこかで聴いたような話!)謎が残る作曲家であるが、同音と倍音によるテクスチャを駆使した作曲技法はスペクトル楽派につながる。この作品もA♭音の連呼や、徐々に近接周波数の音に侵食していく展開を示しているところは、Quattro PezziやString Qartetなどのようにシェルシの代表的な作風と同じである。この単音のロングトーンに始まり、連続同音からの音色変化や周波数変化は1次元の音楽から2次元、3次元への拡張・展開の立体的な効果が大きい。
ところが、第3楽章は3度音程や6度音程、完全音程も聞こえ、一見すると先の第1楽章や第2楽章とは異なる音楽の様に思えたが、第1楽章から第2楽章にかけて同音から2音間(AとE♭)の関係へ展開されていることから、その延長ととらえるべきというのだろうか。

さて、この作品を演奏したI.バウスフィールド氏によると、「ハエのうなり」みたいな曲だとのこと。近接音への連続変動やビブラートなどを指しているのだろう。しかし、目をつぶればホルンのような澄み切った音色を持つバウスフィールドのトロンボーンだと蝶と表現しても良いのだろう。なにはともあれ珍しいシェルシのトロンボーンのソロ曲をご覧いただきたい。

 

◆サリエーリ しじまのひと時に寄すハルモニー
“夜のハーモニー”とタイトルにあるように、しっとりとしたムーディ音楽。といっても、宮廷のつつましやかな女性的で上品なイメージ。まだ夕焼けの残照がうっすら残る夜空、広いガーデンの片隅の可愛い宮殿、そのバルコニーテラスに片肘付きながら遠くを見つめ、物思いにふけるお姫様が…そんな映像シーンがぴったり。
1番クラリネットの流麗なメロディを中心に音楽が進む。シュミードル先生の音色が澄み渡り、それを支える2番クラリネットとファゴットのアンサンブルが素晴らしかったですね。そして、コーラスのように挿入されるオーボエのインデアミューレ先生の爽やかな風か月の照らす明かりか、そんなような音色の対比がまた風情ありけり。サリエーリ、天才!(MY)
http://www.ustream.tv/recorded/90735568

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