コルネリア・ヘルマンの世界/バッハとシューベルト
ここまでシューベルトは早熟の天才でありながら、20歳ころまでは身内で楽しむ曲を中心として作曲を続けていたと書いてきました。弦楽四重奏を家族で楽しむこともよくあり、パパのチェロがちょっと頼りなくよく注意をしていたのもフランツだったとのことです。ファミリーアンサンブルって微笑ましいですねー。
昨日は13歳の最初期のころの室内楽でしたが、本日は少しお兄さんになった19歳(1816年)の時のヴァイオリンとピアノのためのソナチネをピックアップします。実家を離れ独立(といえばかっこうが良いが実際は悪友の家を転々の放浪生活が始まる)、「魔王」をゲーテに送るも理解されず出版計画が失敗に終わったりといろいろ人生のほろ苦さを味わう時期でした。力強さと形式とロマン派の片りんが見えるなかなか聞きごたえのある曲です。
そして今日は、今年新講師となったKarin Adam(Vn)とCornelia Hermann(Pf)のデビュー演奏でもありました。草津デビューとはいっても、もうお二人は既に世界的に実績のある名手で国際コンクールで優勝や数々のCDのレコーディングがあります。今年、草津音楽祭お披露目となったお二人の共演よりシューベルトのソナチネをアップしましたのでご覧ください。
8月20日の演奏曲目
J.S.バッハ:ピアノ協奏曲 ニ短調 BWV974 (A.マルチェッロのオーボエ協奏曲による)
C.ヘルマン(Pf)
J.S.バッハ:T.アルビノーニの主題によるフーガ イ長調 BWV950
C.ヘルマン(Pf)
F.シューベルト:ヴァイオリン・ソナタ(ソナチネ)ト短調 作品137の3 D 408
C.ヘルマン(Pf)、K.アダム(Vn)
F.シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ロ長調 D 28
C.ヘルマン(Pf)、K.アダム(Vn)、大友 肇(Vc)
F.シューベルト:ピアノ三重奏曲 変ホ長調 「ノットゥルノ」作品148 D 897
C.ヘルマン(Pf)、K.アダム(Vn)、大友 肇(Vc)