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第44回(2024年)草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァル開催!

STAFF BLOG

2019年のコンサート聴きどころ・8月28日編

これを読むと聴きに行きたくなる!あなたの耳と脳を刺激する今年のコンサートのおすすめポイント。

8月28日(水)シューベルトの室内楽/シューベルト:八重奏曲 作品166

シューベルトの室内楽作品3曲を、草津音楽祭ならではの豪華メンバーによるアンサンブルで楽しむ一日。1曲目の四重奏曲断章は、弦楽四重奏曲の系列の中に異彩を放つ注目の作品です。23歳の年の作ですが、結局、1つの楽章が完成されただけで、後が続きませんでした。「未完成交響曲」のケースとよく似ていますね。シューベルトの場合、弦楽四重奏曲のような音楽はある時期まで、家庭の中か親しい友人たちとの、肩の凝らないいわゆるハウスムジークそのものでした。しかし最後の時期にはその枠を飛び出して、最高の“芸術作品”の域に飛躍します。四重奏断章はその転換点です。こんなにも美しいアレグロ楽章を書きながら、その後を続けることができなかったのは、もう家庭音楽として、気安く作曲することができなくなってしまったからではないでしょうか。今回はこの絶品を、たいへん珍しい試みですが第1ヴァイオリンのパートをオーボエに置き換えて演奏します。インデアミューレの意欲に拍手を送りたい気持ちです。

 管楽九重奏のための「6つのメヌエット」は、D.995という特大の番号が付けられていましたが、晩年の作品ではありません(現在のドイッチュ番号はD.2D)。推定ではシューベルト14歳の年に、おそらくこれもプライヴェートな機会のために書かれたものと思われます。ごく短いメヌエットを6曲連ねた簡素な音楽ですが、そこにちりばめられた豊かな楽興は、さすが天才少年ならではのものと言うべきでしょう。

 さて、最後はおなじみ名曲中の名曲、八重奏曲D.803です。何も言わず、ともかくメンバーをみてください。ヴァイオリンはミュンヘンとウィーンの名手、ヴィオラとチェロはウィーン・フィルのトップ、クラリネットは日本の第一人者、ホルンはチェコの誇るとびきりの新鋭……等々、という具合。どうぞ、夢のような1時間を!

文・大木正純(草津アカデミー企画委員)

8月28日(水)シューベルトの室内楽/シューベルト:八重奏曲 作品166

出演:.インデアミューレ(Ob)、P.ゼイファルト(Vn)、M.セフノウトカ(Va)、J.クールハン(Vc)、K-H.シュッツ(Fl)、T.インデアミューレ(Ob)、若木麻有(Ob)、四戸世紀(Cl)、木幡亮仁(Cl)、K.ヤヴールコヴァー(Hr)、堂山敦史(Hr)、蛯澤 亮(Fg)石川了一(Fg)、小林好夫(Tp)、M.ヴォルフ(Vn)、K.アダム(Vn)、R.バウアーシュタッター(Va)、T.ヴァルガ(Vc)、須崎昌枝(Cb)

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